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Interview

社長輩出プロジェクト「CEOオーディション」がついに開始!発案者とパートナー企業代表に聞いた想い

2022.06.29

社長を志す全ての人が挑戦できる、社長輩出プロジェクト「CEOオーディション」。今まで一般的だった「ビジネスアイデアをプレゼンし、出資してもらう」といったビジネスコンペとは異なり、必要なのは「熱意」と「強い意志」だけなのが特徴だ。つまり「社長になりたいが、ビジネスモデルが思いつかない」などといった人でも社長になれる可能性がある。
今回は、CEOオーディションの概要、発足した経緯、参加者に求めることについて、総合プロデューサーの金田隼人氏とパートナー企業であるTeam Energy株式会社(以下、チームエナジー) 代表の中村誠司氏にお話を伺った。

中村誠司氏
1968年4月生まれ。 大学卒業後、大手証券会社へ入社。 営業で優秀な成績を残すが、「顧客が得する思いを感じてもらえる仕事がしたい」と決意して退職。 1993年にコスト削減コンサルティング事業を始め、中央電力の前身であるメリックスを創業し、 2003年に日本で初めてマンションの電力一括受電サービスを開始、翌年中央電力を設立(のちにメリックスを統合)。 2018年「事業が育ちあう森づくり」を進めるべく、チームエナジー株式会社を設立しグループ経営に乗り出す。現在 グループ27社. 2019年、更なる社会課題解決に向け一般社団法人日本CEO協会を設立。現在は理事を務める。 その他 関西ベンチャー起業家グループ:「秀吉会」創設者 EO(Entrepreneurs Organization起業家機構)第16期会長(2011年7月~)

金田隼人氏
1990年、埼玉県深谷市生まれ。大学在学中に、世界一周大学巡りを企画実施、複数社からスポンサーを募り23カ国50大学を訪問。2013年、教育会社の取締役副社長就任。「営業学」の研究をテーマにPBLを活用した独自プログラムを展開。2016年、株式会社ネームレス創業、代表取締役就任。大手企業・老舗企業など複数の企業や組織の新規事業に参画。2017年、大阪イノベーションハブ初の東京担当プロジェクトディレクター拝命。2019年から「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考)」を提唱すべく研究活動・研修事業を展開。同郷の渋沢栄一氏に影響を受け、過去20社の創業時に資本・経営参画。

CEOオーディション開催のきっかけ

──CEOオーディションはまったく新しいカタチの社長輩出プロジェクトですが、どういったきっかけでスタートしたのでしょうか。

金田:私がCEOオーディションを中村代表に提案させていただいたんです。当時、チームエナジーは、従来のビジネスコンテストを開催しようとしていました。
しかし、チームエナジーが取り組もうとしていること・目指していることを踏まえると、ビジネスコンテストよりも、もっと適切な方法があるのではないかと感じたんです。

中村:もともと金田さんは、難しいもの・ことを言語化するのが得意な方と伺っていました。そこで、私たちが目指す社会や大切にしていること、取り組んでいる「共経営」などについてお伝えしたところ、CEOオーディションという企画をご提案いただきました。チームエナジーでビジネスコンテストを開催しようとしていたタイミングだったので、「ぜひやりましょう」となったんです。
当時からチームエナジーは、「社長はやっているうちに社長として育っていく」と考えていたので、いかに社長へ挑戦する人を増やせるかを考えていました。ただ、今までのビジネスコンテストでは、ビジネスアイデアがなければ社長に挑戦することすらできません。私たちが考える社長としての資質「強い意思」と「情熱」、「突出した個性」があっても、社長にはなれなかったんです。
だから金田さんが私たちの想いをしっかりと言語化し、こうしてカタチにしてくれたのは嬉しかったですね。

金田:「社長になりたい」という強い想いにフォーカスを当てて、且つ社長になる人をみんなでプロデュースしていく。こういった仕組みを作れたら社会的にも価値のあるモノになるはずです。

中村:ちょうどチームエナジーでも、社会的な課題を解決する新事業をいくつか始めようと思っていて、「社長をどうやって探そうか」と考えていたタイミングでもあったんですよ。

金田:もともとチームエナジーのグループにはさまざまな会社がありますよね。そして社長も高校生から主婦の方まで本当にさまざまです。

チームエナジーグループ「ストーリーテラーズ」は3児の母である高野氏が代表を務める

中村:そうなんです。そして、この多様性がイノベーションを起こすことは往々にありますから。今回のCEOオーディションにも、ジャンルや業界、経験などは問わずにいろんな方々に来ていただきたいと考えています。

──さきほど、共経営というキーワードが出ましたが、もう少し詳しく教えてください。

中村:たしかに「共経営」という言葉は聞きなれないかもしれませんね。これは、私の経験からきている言葉なんです。というのも私自身、電力会社という厳しい業界で経営を続けてこれたのは、さまざまな専門家の先生や諸先輩方の支えやフォローがあったからなんです。

▲チームエナジーの共経営について

中村:私一人で経営してきたわけではない。みんなで共に経営してきたんです。「経営者を一人にしない、みんなで支えあっていこう」というわけです。
「経験がないからできない」のではなく、未経験でもきちっと支えてくれる人がいれば事業が成り立っていきます。さまざまな人と関わりを持って支えあっていけば、チャンスはより広がる。そうなれば、社長に挑戦する人もどんどん増えていくはずです。

金田:社長と聞けば、孤独だと思われがちですが、そうではないですよね。頼れる存在が「一緒に汗水流して事業を成長させようと奮闘してくれる」、これほど心強いことはありません。

中村:ただ、共走してくれる専門家や顧問のような先生を自分で探すとなると、半年以上かかることも多いのが実情です。

金田:その点、チームエナジーのように共経営を実践しているグループなら、専門家や支えあうメンバーが揃った状態で経営をスタートできますよね。

中村:それも過去にグループ内で仕事を共にしてきた信頼のおける方々ですから、事業もスムーズに成長していきます。共経営によって加速してる実感がありますね。

金田:実際、チームエナジーは社長と共走者がパートナーシップを結びながら、事業を成長させていくことで大きな成果をあげています。今回のCEOオーディションでも、その仕組みが用意されているわけですから、恵まれた環境で社長を始められる。

中村:そうですね。共走者の知恵や実務的なフォローを受けていくうちに「経営ってそんなに難しくないじゃん」と感じてもらえるはずです。しかし現状は、「経営者はずば抜けて高い能力がなければなれない」というイメージもあって挑戦する人は少ないんです。

──そもそも、社長(起業)がハードルが高いと感じてしまうのはなぜでしょうか。

中村:やっぱり自分でやらなければならないことが多いことでしょうか。採用はもちろん、教育や評価、資金集めや事業案の作成、営業など山ほどあります。例えば、ベンチャーキャピタルからいただいたお金の使い方がわからなかったり、共走してくれる良いメンバーに出会えなかったりといった困難も多い。こうした山積みの課題をすべて乗り越えられるのは、なかなかの起業家じゃないと難しい。

金田:だから、挑戦する人間が挑戦しやすい環境作りが大切なんですよ。プロ野球選手を目指す少年が、自分で練習メニューを決めてプロに挑戦することはありませんよね。ちゃんとキャッチボールのやり方や、トレーニングを見てくれる、正しく導いてくれる指導者の存在がある。

中村:起業も同じです。きちんと導いていくような仕組みがあれば、もっと多くの人が社長・起業家になれるはずです。

──それがCEOオーディションだと。

金田:そうでありたいですね。

──たしかに、本来の起業って自由な発想から生まれるべきものなのに、「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」と挑戦できなくなっている印象です。

中村:特に日本は「リスクを取りたくない」方が多い気がしますね。

──今回のCEOオーディションは、「リスクを背負うべきだ」ではなく、「リスクのない社長になろう」という発想ですよね。これが今までとは違って、すごく良いなと感じました。

中村:頼れる共走者さえいれば、起業のリスクは高くありません。リスクがなければ、誰もが挑戦しやすくなります。そうすれば、工夫をする人も増える。その結果、日本全体の社長のレベルが高くなる。これは日本社会にとっても大きな価値ですよね。

──たしかにスポーツも、プレイヤー人口が増えれば、おのずと全体のレベルは上がっていきますよね。では、 CEOオーディションに参加してほしい人物像を教えてください。

中村:これは、社長になるために欠かせない要素でもあるのですが、
一番大事なのは「嘘をつかない、約束を守る、人のせいにしないこと」です。どちらも当たり前のことですね。
もうひとつは、「素直に努力し続けること」。CEOオーディションに合格した方には、共走者やアドバイザーがついて、しっかりフォローしてくれます。しかし、アドバイスを素直に聞き入れられなければ、意味がありませんから。
社長には特殊な能力は必要ありません。繰り返しになりますが、大事なのは「嘘をつかない・約束を守る・人のせいにしない・素直に努力し続けられる」こと。これらを守ることで、周囲の人は、「あなたの力になりたい」と感じてくれます。つまり共走者と良い信頼関係を築くことにつながるわけです。

──だから、ビジネスプランも経験なども不問、突出した個性が必要なんですね。

金田:人柄や熱意の方が大切なんですよ。

CEOオーディション出場者へ

──では出場を検討している方へメッセージをお願いします。

金田:私たちは、全力で「社長への道をあらゆる角度で用意したい」と考えています。大きな企業をはじめ、個人で行っているような企業も社長を求めてます。社長を求めている企業は意外と多いんですよ。

中村:だから意思と情熱さえあれば、どんな方でも大歓迎です。「社長業にフルコミットしたい」方はもちろん、「平日は会社員をして休日だけ挑戦したい」「専業主婦のあいまに」「事業に失敗したから新天地で頑張ってみたい」「入院していて自由に動けない」といった方でも問題ありません。
極端にいえば、中学生でも大丈夫です。社長に制限はありません。年齢が15歳だろうが90歳であろうが関係ない。どんな方にでも、取り組める事業をご用意します。

──今回は、国籍も問わないそうですね。

中村:そうなんですよ。特に留学生の方の熱意はすごいものがあります。私は大学で講演をする機会があるのですが、質問をするのは留学生が圧倒的に多いんですよ。「チャンスがあれば日本で会社を作りたい」という強烈なチャレンジ精神やエネルギーを持った方々が日本が好きで来日されているわけですから。そういった方々にも機会を提供できたらと思っています。
それに、海外の熱意ある方が日本で挑戦しやすい環境を作れたら、「跡継ぎがいない問題」とか「挑戦していかない社会風土」を打破するきっかけにもなるはずです。

金田:そうですね。あらかじめある枠や型にはめていくのではなく、出場していただいた方の想いや向き不向きを踏まえて、環境や事業作りに取り組んでいけたらと思っています。そのためのオーディション形式でもありますから。熱意や夢のある方なら誰でもお待ちしています。

CEOオーディションの出場者が得られるメリット

ー-今回のCEOオーディションの合格者には、共走者をはじめ様々な環境を提供してもらえるわけですが、そのほかにも出場者が得られるものはありますか。

中村:そうですね。CEOオーディションに参加することで、自分の想いや考えを改めて見直す機会にもなるかと思います。また、仮にオーディションに落ちてしまった場合でも、オーディションを受ける過程で「社長という職業を強く意識する」ことになります。こういった点も出場者が得られるメリットだと思いますね。

金田:周りから自分がどう見られているのか、自分の良い点や課題点などもできるだけお伝えするので、オーディションを何度か受けるうちに成長していけるはずです。

中村:そうですね。できる限り僕らも想いに応えるべく、出場者の方と面談だったりお話しする機会を作っていきたいと思います。我々の想いも重ねさせていただいて、一緒に事業・会社作りができたら嬉しいですね。出場者全員にとって、可能性が生まれる場にしていきたいと思います。

どういった組織や団体、企業の方々に参画いただきたいか

──ありがとうございます。それでは、次にCEOオーディションにスポンサーとして参加したい・検討している企業の方へメッセージをお願いします。

中村:短期的な利益や目の前の勝利を求めず、中長期目線で社長を育てていくことに賛同いただける企業にぜひ参加いただきたいと考えています。社長は経験によって育ちます。社長経験者を増やすことが、日本社会にとっても大きな役割を果たすはずです。

金田:「次はこんなことに挑戦しよう」と、やる気のある人たちがどんどん前向きに挑戦していくような社会づくりをしていく、そういう考え方で社長を募集していただけたら、出場者にとっても企業にとっても、素晴らしい場になるんじゃないかなと思っています。

中村:それから、挑戦者の方々を推薦していただけるような学校や団体、起業家を育ててみたい方々にも、積極的に関わっていただきたいですね。「よりよい世界を作っていくんだ」という想いに賛同していただけたら嬉しいです。

金田:今回出場してくださるのは、「社長になりたい」という強いエネルギーを持った方々だと思います。この企画のなかで社長になれる方もいれば、何年か後に社長になる方もいらっしゃるでしょう。だからエントリーしていただいた方々には、オーディション後も、社長になっていくための機会を提供していけたらと思います。

──今回のオーディションで合格しなかったとしても、引き続き機会を提供してもらえる可能性があると。

中村:そうですね。私たちは、社長をプロデュースするという視点をもって今回のCEOオーディションに取り組んでいきたいと考えていますから。

金田:現在の日本、特に地方では、社長人材を集めるのが難しいという話もよく耳にします。社長になりたい人材のデータがあれば、社長人材を求める声が全国から集まって来るかと思います。本当に社長になりたいという方々の熱い想いを、全国に届けることで、一社でも多くの企業に興味を持っていただけたら最高ですよね。

中村:そうですね。高齢化が騒がれる今、今後も各地で世代交代も行われていくでしょう。担い手不足の今だからこそ、「社長になりたい」という人材にとってCEOオーディションが、ひとつの登竜門になっていけば嬉しいですね。

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