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2022.08.31

INTERVIEW

事業承継で「失われた30年」脱却を目指す「一般社団法人ネクストプレナー協会」。CEOオーディションからネクストプレナー輩出へ

事業承継で「失われた30年」脱却を目指す「一般社団法人ネクストプレナー協会」。CEOオーディションからネクストプレナー輩出へ

社長になりたい気持ちさえあれば、誰もが挑戦できる、社長輩出プロジェクト「CEOオーディション」。ビジネスアイデアはなくても「熱意」と「強い意志」だけあればエントリーできる、まったく新しいカタチのビジネスコンテストだ。

今回は、CEOオーディションのパートナー「一般社団法人ネクストプレナー協会」で代表理事を務める河本 和真氏にお話を伺った。同オーディションでプロデューサー(審査員)兼アンバサダーを務める河本氏に「CEOオーディションにかける想い」や「参加者へのメッセージ」を伺った。

河本 和真氏

北海道大学経済学研究科会計情報専攻修士課程卒業。在学中、ベンチャー企業の立ち上げに従事。2014年4月、野村證券株式会社入社。2017年にテック系M&Aアドバイザリーに参画。2019年6月より、Growthix Capital株式会社の創業メンバーに参画し、事業再生案件やクロスボーダー案件等幅広いディールを手掛ける。その他、譲渡に備えた財政状態の整備や事業拡大に纏わるコンサルティング業務や、ディール成立後の譲受企業役員として就任し、PMIの構築と実行に従事する実績を持つ。

金田 隼人氏

CEOオーディション 総合プロデューサー
1990年、埼玉県深谷市生まれ。大学在学中に、世界一周大学巡りを企画実施、複数社からスポンサーを募り23カ国50大学を訪問。2013年、教育会社の取締役副社長就任。「営業学」の研究をテーマにPBLを活用した独自プログラムを展開。2016年、株式会社ネームレス創業、代表取締役就任。大手企業・老舗企業など複数の企業や組織の新規事業に参画。2017年、大阪イノベーションハブ初の東京担当プロジェクトディレクター拝命。2019年から「プロデュースシンキング®︎(プロデュース思考)」を提唱すべく研究活動・研修事業を展開。同郷の渋沢栄一氏に影響を受け、過去20社の創業時に資本・経営参画。

「一般社団法人ネクストプレナー協会」がCEOオーディションに参画した理由

河本:今回、ネクストプレナー協会が参画した理由についてご説明する前に、当協会の成り立ちについて知っていただければと思います。

ネクストプレナー協会は、あるひとつのキーワードからスタートしている組織です。「失われた30年」という言葉をご存じでしょうか。

1990年代の始めに起きた「バブル崩壊」後、現在に至るまで、日本経済の成長が止まっていることを表すワードです。

つまり、好景気を見ずに30年間過ぎているわけです。平成元年生まれの私からすると、この失われた30年というのは、非常に重要な意味を持っています。生まれてから一度も好景気を経験できずにいることに、悔しい想いもありました。しかし、そう感じている反面どこか他人事になっていた。「このままでは失われた30年から脱却できないのでは?」と思い、マインドチェンジが必要だと感じるようになったんです。

そこで、「経営者人材を輩出し、失われた30年から脱却する」というコンセプトのもと、ネクストプレナー協会を発足しました。

そして、もう一つ。現在、日本が直面している非常に大きな社会課題があります。「後継者不在問題」です。中小企業庁の発表によると、現在日本に存在する約360万社の中小企業のうち245万社の経営者が、2025年までに平均引退年齢である70歳を超えます。そして、その約半数にあたる127万社は後継者が未定なのです。

このまま後継者が育たない場合、近い将来「倒産・廃業」する企業が続出する「大廃業時代」が訪れます。となれば、日本経済に甚大な影響を与えることは、間違いありません。

当協会は、この現状を改善し未来を変えるためにも、※ネクストプレナーを育成し、事業をゼロからスタートさせるのではなく、事業を受け継ぎ起業する次世代のスタイルで、多くの企業を存続させることを目的にしています。

※ネクストプレナーとは
0→1の起業ではなく、このような企業の承継者となる方々を「次世代の起業家」を意味する「ネクストプレナー」と呼んでいる。

ネクストプレナーは、既存の財産(従業員、クライアント、保有資産)を活用し、新たな付加価値を生み出して企業価値を増大させる存在として、日本の承継者不足の問題を解決する存在でもあります。

金田:ここまで伺っただけでも、CEOオーディションとよく似ていることが伝わりますね。現在は、どういった活動を行っているのでしょうか。

河本:現在、注力していることの一つに「ネクストプレナー大学」といったコンテンツがあります。これは、CEOオーディションとさらに近いコンセプトを持っています。

「今はまだ特別な能力やスキル、アイデアはもっていないけど、『やる気だけはある』」といった方を集めて、経営者になるための勉強・準備を進めていく。受講後は、実際に後継者不在企業とマッチングします。

そして、相性が良ければ、実際に資本の承継もしていく。私がCFOを担うGrowthixグループ内にファンドを用意しているので資金作りや、資本の承継もサポートします。

金田:ファンドもあって、サポートも充実している点も私たちCEOオーディションが目指す理想に近いですね。より高度なことをやられている印象です。参画してくださったのも納得です。では、実際に行った事業承継の事例を教えてください。

河本:ちょうど先日、事業承継を実施した例があります。承継したのは、事業者へ向けた研修を事業とした歴史のある、従業員の年齢層も比較的高い企業でした。そこでは新型コロナウィルスの影響を受け、従来のオフラインで行う研修は激減。売り上げも立てづらい状態に陥っていました。

事業承継する前はDXとはほど遠い企業で、顧客とのやり取りは、FAXがメインという状態。しかし、歴史のある企業だったこともあり、過去に研修を行った企業の数は膨大なものでした。

すでに販路はあったので、「コンテンツの内容を現在に合った内容にアップデート」し、「オンラインにも対応する」ことで、売り上げを復活させることは可能だと考えています。

事業承継をしたのは、もともとメガバンクで法人営業をしていた方。中規模の専門商社では経営企画室に配属されていた経験もありました。そういった知見もあり、比較的スムーズに事業承継が進んだ事例でもあります。

金田:今回のオーディションでも、参加者の人柄や想いに合わせて企業とマッチングしていければと考えているので、ここも共通する点ですね。ここまで共通点・親和性があると様々なシナジーが生まれそうです。

河本:そうですね。「CEOやCFOになりたい」「経営者になりたい」という熱い想いや志を持った方はたくさんいるはずです。社長と一口にいっても、事業承継が得意な人もいれば反対に0→1で創り上げていくのが好きな人もいるので、色々な選択肢があって良いと思っています。CEOオーディションを通じて、事業承継を知ってもらいキャリアの選択肢として考えるきっかけにできたら嬉しいですね。

金田:CEOオーディションは、「参加者一人ひとりに合った社長としてのキャリアがある」ということを前提にしています。自ら起業していく方もいれば、事業承継していく方もいる。それは、参加者一人ひとりが持つ素養や考え方、リスクの取り方、思い描くキャリアなどによって異なるはずです。

そういった部分を審査プロセスを通じて見極めていく。CEOオーディションの場合、合否は足切りではなく、社長としてのさまざまなキャリアをプロデュースしていく機会にしていけたらと思っています。

特典には「ネクストプレナー大学のコンテンツ閲覧永久無料」や「事業承継時の無償サポート」

金田:今回は、事業承継部門の特典として、ネクストプレナー大学のコンテンツ閲覧永久無料や事業承継時の無償サポートなど、魅力的なものをご用意いただきました。特典についてもう少し詳しく教えてください。

河本:まずは、「ネクストプレナー大学のコンテンツ閲覧を永久無料」にします。ネクストプレナー大学は、ネクストプレナーの育成・輩出を目的とした唯一無二のビジネススクール。後継者不在企業とのマッチングや、中小企業経営に特化したカリキュラム、実地研修などを通じ、着実に経営者への道を歩むことができます。

次に、「事業承継時の無償サポート」。事業承継する際にはデューデリジェンスが発生し、その費用は数百万円かかることも。そこを無償でサポートさせていただければと考えています。

CEOオーディションに挑戦したいと考えているすべての人々へ

金田:最後に、河本さんが思うCEOオーディションの魅力はどういったところでしょうか。

河本:私が思うCEOオーディションの魅力は、平等に戦えること。ビジネスモデルやアイデア、プレゼン力などは関係なく、やる気・熱意さえあれば誰でも社長になれるチャンスがあるわけですから、ぜひこの素晴らしい機会を活かしていただきたいですね。

そして、CEOオーディションで出会う人や自分と向き合って得た気づきも大事にしてほしいなと思っています。

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