2026年1月30日・31日の2日間、神戸で開催された「BE Start KOBE / BE Start Camp」。BE Start KOBEは、神戸市が主催する起業・創業支援プログラムで、神戸とのつながりをきっかけに、挑戦の意思や事業の方向性を整理し、次の一歩につなげることを目的としています。
今回の2日間は、発表して終わりではなく、その場の対話や出会いが次の動きに自然につながる流れになっています。ここからは、Day1の合格者ピッチからDay2の施策紹介・講演・グループメンタリング、閉会まで、当日の進行に沿ってレポートしていきます。
2日間の全体像

Day1は、神戸市東京事務所長の武田卓氏による開会挨拶とプログラム趣旨の説明から始まり、合格者ピッチへと移りました。
合格者ピッチは発表の後に、審査員(プロデューサー)による質問が行われ、続いて審査員がカードを上げて合格者への支援の意思を示したうえでコメントを伝える形式です。やり取りの中で、発表内容に対する確認点や課題が整理されていきました。
終盤には集合写真の撮影が行われ、続く名刺交換では登壇内容を受けた質問や相談が交わされる時間が設けられました。

Day2は、午前に神戸市・支援機関による支援施策の紹介と、ゲストによる講演を通じて、事業に役立つ制度や経営のヒントをインプットする時間となりました。
続くネットワーキングランチは、登壇者や参加者同士が活発に交流し、会場には前向きな雰囲気が広がっていました。
午後は「資金調達」「行政支援・制度活用」「事業経営」の3テーマで30分×3回のグループメンタリングが行われました。参加者は午前中の学びを踏まえつつ、テーマに沿って自身の課題を持ち込み、具体的な相談をすることで、次のアクションにつながるヒントを得られた様子でした。
最後はフリートークの時間が用意され、参加者や登壇者がさらにつながりを深めながら、Day2も盛況のうちに終了しました。
BE Start Campを支えた支援者陣
Day1で審査を担当したプロデューサー(審査員)を紹介します。

松本 直人 氏
株式会社神戸大学キャピタル取締役、株式会社ABAKAM代表取締役。2002年に神戸大学経済学部を卒業後、フューチャーベンチャーキャピタルに入社し、2016年に代表取締役に就任。在任期間中に30本以上の地方創生ファンドを設立。現在はTeam Local Capitalをはじめ4法人の代表、上場企業を含む5社の取締役を務め、地方創生とベンチャー投資の領域で活動しています。

辻 有吾 氏
株式会社PAL代表取締役、EO Kobe 第2期理事。夜間大学に通いながら多様な職種を経験し、卒業後は大手通信機器関連会社に入社。若くして部長職に就く一方、「経営者になる」という意思のもと退社し、2000年に物流業界の構造的課題の解決を目的に株式会社PALを創業。ロジテックインテグレーターとして物流現場運営の生産性向上にとどまらず、顧客企業の物流全体、サプライチェーン全体の設計・最適化を担い、データを基軸としたテクノロジー実装と改善を繰り返す経営を実践しています。

荻原 猛 氏
株式会社ロケットスター代表取締役社長。大学卒業後に起業するも失敗を経験し、2000年に株式会社オプトへ入社、2006年に広告部門の執行役員に就任。2009年にソウルドアウト株式会社を設立して代表取締役社長に就任し、2017年にマザーズ上場、2019年に東証一部上場を実現。2022年には博報堂DYホールディングスによるTOBで子会社化を実現し、PMIを経て取締役を退任。2023年4月に株式会社ロケットスターを設立し、3度目の起業に挑戦しています。

中村 誠司 氏
Team Energy株式会社代表取締役。1993年にレジル株式会社を創業し、2024年に東証グロース市場への上場、2025年に米投資ファンド ベインキャピタル社によるTOB成立。2012年にふるさと熱電株式会社を創業し、熊本県小国町で地熱発電所を開発・運営、2025年にスウェーデン投資ファンド ベースロードキャピタル社への売却を実現。2021年には株式会社GeoDreamsを創業し、革新的な地熱掘削技術に挑戦、次世代地熱開発モデルの実現を目指しています。
Day2は、「支援施策の紹介」と「講演」、「グループメンタリング」で各パートに関わった支援者を紹介します。

武田 卓 氏(スタートアップ支援)
神戸市東京事務所長
1998年同志社大学経済学部卒。電子応用機器会社を経て、神戸市入庁。神戸アイセンターの立ち上げや病院の統合、課題解決の専門部署「つなぐ課」特命課長などを経験。2020年より医療・新産業本部新産業課長。POC事業「Urban Innovation KOBE」やファンドの立ち上げ、マイクロソフト誘致などスタートアップ創出・集積を図る。2024年より現職。神戸と東京のヒトモノカネの接点を担う。

沖本 浩揮 氏(開業支援)
公益財団法人こうべ産業・就労支援財団 経営支援部長
2003年神戸大学国際文化学部卒業後、神戸市に入庁。市民病院の地方独立行政法人化、NPO法人の設立・運営支援、市税事務所の移転集約業務などを経験。2023年から現職。主に小規模事業者の開業支援、経営支援を担う。年間延べ2,000人以上が利用する開業前後の方向けの相談窓口「開業支援コンシェルジュ」やインキュベーションオフィスを運営。公的な立場から地域の挑戦を後押ししている。

鈴木 吾朗 氏(資金調達)
株式会社リンクス 代表取締役
三菱重工業を経て、複数のベンチャー企業でCFOとして資金調達を実現。2015年に株式会社リンクスを創業し、「レンタルCFO」としてシード期スタートアップの財務戦略支援を専門に展開。独立後3年半で100社以上、約40億円の調達支援実績を持つ。大企業とスタートアップ双方の経験を活かし、創業期の起業家が事業に集中できる環境づくりをサポート。スタートアップ財務のプロフェッショナル。

中野 智哉 氏(事業経営)
株式会社i-plug 代表取締役CEO
1978年兵庫県生まれ。パーソルグループで10年間求人広告営業に従事。2012年グロービス経営大学院修了(MBA)後、同校の仲間2名と株式会社i-plugを創業。企業が学生に直接オファーする逆求人型就活サイト「OfferBox」を展開し、登録学生21万人、利用企業2万社超と新卒採用市場に新たなスタンダードを構築。2023年東証グロース市場上場。関西スタートアップコミュニティの活性化にも尽力。

福原 悟史 氏(EO Kobeの紹介)
株式会社GA 代表取締役 / EO Kobe第4期理事
「食で、地方を元気にする」をビジョンに、こだわりの有機野菜や無添加食材を通じて、作る人・食べる人・地域社会が元気になる持続可能な社会の実現を目指す。兵庫県を拠点に、GLOSA ORGANICブランドで芦屋(本店)・西宮苦楽園・神戸岡本の3店舗を展開。小売事業に加え、地方資源を活かした商品開発、耕作放棄地を活用した自然農法での農業事業を手がけ、地域に雇用と経済を生み出す事業モデルを構築している。
3テーマのグループメンタリングは以下の担当で行われました。
資金調達:鈴木 吾朗 氏
行政支援・制度活用:沖本 浩揮 氏 / 武田 卓 氏
事業経営:中野 智哉 氏 / 福原 悟史 氏
参加者に聞いた、2日間の振り返り
2日間の最後に、参加者の感想を紹介します。

赤木 謙太さんは、神戸について「すごくオープン」な街で、審査員からのフィードバックが「他のピッチとは比べ物にならなかった」と振り返りました。事業経験のある審査員だからこそ指摘が「明確でシンプル」で、納得感があったと述べ、Day2では資金調達や補助金も含めて次の打ち手を相談できたと話しました。

小黒 江莉果さんは、起業家として神戸を訪れ「ここでどう事業を展開できるか」を現地で確かめる時間になったとコメントしました。ピッチは都内でも経験がある一方、審査員から密にフィードバックを受けられた点がよかったと振り返っています。さらにDay2では「嘘はついちゃダメだけどホラは吹け」という助言が印象に残り、目指す姿を言い切る重要性として受け取ったと語りました。

光貞 青真さんは、東京にいるだけでは得にくい「現地の人に聞かないと分からない情報」に触れられたことが大きかったと振り返りました。1日目のピッチは「苦手」としつつも、話しやすい雰囲気の中で貴重な経験になったと述べ、審査員からの「マネタイズを考えないと先に進まない」といった指摘を含めて学びがあったと話しています。2日目は領域の異なる参加者の質問や資金調達の議論を聞きながら、次にどう進むかを考える時間になったとし、支援策では空き家活用などギャラリー構想につながる可能性にも触れました。
まとめ

Day1のピッチ、Day2の施策紹介・講演・メンタリングを通じて、神戸での事業展開に向けた準備が前に進む2日間となりました。ここで交わされた質問や会話は、次の実証や面談につながる「出発点」になります。
次回の募集や最新情報は公式サイト(BE Start KOBE)で確認できます。気になったタイミングでチェックしてみてください。
