2024.2.26

地球規模の社会課題に向き合う
ユニコーン企業の挑戦イベントレポート

「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」 の開催を記念し、株式会社TBM代表取締役CEOの山﨑敦義氏とTeam Energy Sustainable株式会社代表取締役の中村誠司が「地球規模の課題を解決するユニコーン企業を目指す社長」をテーマに、対談イベントを行いました。

「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」 は、TBMとともに地球規模の課題にチャレンジする、「ユニコーン企業を目指す社長」を募集するオーディションです。合格者には、TBMより事業活動に必要な環境や支援が提供されます。

参加条件は意志と情熱のみで、年齢や経験、ビジネスプランは不問。地球規模の課題に取り組む意志と情熱を持ち、将来的にユニコーン企業を目指すというビジョンを持つ方を対象としています。

サステナビリティ領域の事業とは

ーーまずは、サステナビリティ領域で事業活動を始めようと思ったきっかけについてお話いただけますか。

山﨑

三十歳のときのヨーロッパ旅行が人生の転機になっていまして、何百年も昔に作られた建物と街並みを見て「人間の人生というのはあっという間なんだ」と強く感じて、残りの人生で「グローバルに勝負ができて、何百年と挑戦し続けていく会社を残したい」という思いを強めました。

そのような中で世界に目を向けると、人口増加や資源枯渇、温暖化といった様々な課題に直面し、世界中でサステナビリティ領域の必要性が顕在化されていて、ビジネスでも間違いなく追い風が吹くなと感じていました。そこで折よく「ストーンペーパー(LIMEXとは異なる)」という新素材との出会いもあり、サステナビリティ領域へ挑戦しようと覚悟を決めました。

中村

僕は昔から山﨑社長の話を聞いていますし、いろいろな方々の影響を受けながら事業に取り組んでいます。直近では僕が尊敬している方の「地球のことを考えて生きろ」という言葉を事業に照らし合わせて、物事を考えていますね。

日本もいま大きな変化の渦中にありますが、変化の流れについて答えを導き出すことはできずとも、この変化に合わせながら事業・経済活動を進めていかなくてはいけないと、つくづく思います。そして本気で変化に目を向けるのであれば、やはり地球課題、とくに温暖化や資源問題について様々な技術開発が進むのではないでしょうか。

ーー環境問題は地球規模の課題である一方、「環境ビジネス」となると大きな経済活動にならないというイメージが一定数あります。サステナビリティ領域でビジネスを行うメリットや大事なことについてお聞かせください。

山﨑

日本でサステナビリティのビジネスというと、確かに「なかなか事業としては……」と話をされる方がいらっしゃいますね。しかし、SDGsの経済効果は、世界中で年間1,800兆とも言われているんですよ。世界中の国が連携しながらアプローチをしていけば、大きな経済となって動いていくのは当然ですよね。

日本人が見ている景色は恵まれているので、SDGsで掲げられている問題は軽く見られがちだと思うんですが、実際に発展途上国などに行ってみると本当にSDGsの活動が必要だと感じます。まずは興味を持ち、自分の目で見て納得できれば、大きなビジネスチャンスにもつながっていくと思います。

中村

サステナビリティ領域では、理論と分析は優秀な方々がどんどん研究を進めていますから、アクティブに挑戦する役割も必要なんですよね。我々はそこに挑戦しているわけですが、とんでもなくお金がかかりますし、保証も何もない世界です。しかし、ロマンや夢を忘れてはいけない。僕は不確実性に惹かれる人間でして、ほとんどの人に「バカだなぁ」と言われますが、そこが楽しいところではないかなと思っています。

山﨑

僕も「無謀だ」と言われながらも新素材の開発にチャレンジしてきたので、中村社長の言葉には非常に共感します。

やはり「これを達成できたらすごいぞ」という夢を実現するからこそ、素晴らしい結果につながるのだと思います。「間違いなく未来のためになる」と思ったら、そこに向けて諦めずに突き進む。今はサステナビリティ領域でも型ができて成立している事業もありますし、「自分たちでイノベーションを起こせば、本当に世界は変わるんだ」と信じて挑んでいくことが大切だと思います。

ーーサステナビリティ領域では、成果が出るまでに中長期的なスパンが必要になるかと思います。この領域で事業を始める人に必要な心構えなどはありますか。

山﨑

ディープテックと言われる我々の領域では、多額の資金を調達したのに、想定したスピードで物事が動かないことがたくさんあります。そんななかでも次の可能性を作り、胆力を持ってやり切る力は絶対に必要ですね。私自身も困難を乗り越えて、さらなる可能性を捕まえていくということを体現してきた自負があります。

さらに会社として利益が回っていっている状態で、そこから次のチャレンジをしようと思えるかが勝負どころではないかと思うんです。この領域は、どれだけ事業を成長させても全く足りないほど、社会問題が山積みとなっています。だから会社として満たされている状態でもハングリーに、ストイックにチャレンジできるメンタリティが求められると思います。

日本からユニコーン企業を生むためには

ーーTBM社は世界経済フォーラムのユニコーン・コミュニティの日本の代表として、ダボス会議に参加されました。ダボス会議を通じて感じられたことについてお話しいただけますか。

山﨑

やはりユニコーン企業、スタートアップと言われる分野の規模やスピード感は、日本は海外と比べて劣っていると痛感しました。ダボス会議で出会ったスタートアップのなかには、我々よりも後に創業したサステナビリティ領域の会社で、1,000億円以上の資金を調達しているところもありました。とくに海外の人たちの意思決定のスピード感を見ていると、日本のなかだけで満足しているようでは世界で戦えないと思いました。

ーー 一方で中村社長は現在、グループ30社のうちから4社のユニコーン企業を生み出すことを目指して推進中とのことですが、日本からユニコーン企業を生み出すためには何が必要だとお考えですか。

中村

僕は「捨てること」が大事だと思っています。例えば「原理」です。ゼロから技術を開発していくチームだけがユニコーン企業のように言われますが、いま日本では原理の研究開発にお金を注ぎ込む流れがどんどん減らされている。それならば捨てるところは捨てて、日本の特性を活かすような「加工」の領域を徹底的に鍛えて、世界に出ればいいと思うんです。

もう一つは、僕と山﨑社長がお互いに影響を受け合いながらやってきたように、ユニコーン企業を目指すメンバーが集まり、意見を交換し合うことも大事だと考えています。

山﨑

中村社長の仰るとおりです。日本のなかでの規模感やスピード感で成果を出して、満足をしていてはいけません。その点で、もっと大きな規模で、高い志を持って挑戦している人たちと交流することは非常に大切です。

とくにサステナビリティは、日本だけの話ではありません。大きな成長価値を生むためには、今後人口が増えて経済が成長していく国に対して、どれだけ貢献できるのかが重要なんです。最初からそのグローバルな視点を持たなくては、その後の成長はないと思います。

中村

「ユニコーン企業になる」というところからスタートすれば、そこに向けた力が働きますね。

山﨑

仰るとおりです。「ユニコーン企業になる」と決めてスタートしなければ、成功した人たちが「どういう資本政策を取ったか」「何がファクトとしてあり、資金調達に至ったのか」「投資家はどこを評価したのか」といった部分を調べようとしないんです。

中村

一部の人たちだけで話し合っていても、同じ判断軸で凝り固まった発想しか生まれないわけですよ。ディスカッションのなかに多くの人が関わることで、意見は多様化する。そういう仕組みをこの「CEO オーディション - NEXT ユニコーン」で作り出せたら、面白いことになると期待しています。

オーディションを通じてユニコーンを目指す人へ変化してほしい

ーー「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」は、ユニコーン企業を目指す社長を募集し、ともに地球規模の課題に挑戦する仲間を増やしていこうという取り組みになっています。この意図についてお話いただけますか。

山﨑

我々も地球規模のテーマに挑戦していくなかで、「チャレンジを応援したい」と多くの方々からご支援をいただいています。いまこんなに恵まれた環境で挑戦させてもらっているのも、「これからの日本のために」と奮闘された先輩方のおかげであり、我々も先輩方から受け継いだものを、さらに多くの人へ引き継いでいかなくてはならないという思いが非常に強いんです。

中村

私も大学までスポーツしかしてこなかった人間ですが、いまも社長をやらせていただいているのは、優秀な人に巡り会えて「こいつ、なんとかしたらなしゃーないな」と助けていただいたからです。

とくに情報が加速していく今の時代にユニコーン企業を目指すためには、柔軟に変化していく力が欠かせないと思います。これには客観的に見る力、示唆を与えてくれる伴走者の存在が必要だと思うんですよね。

山﨑

中村社長はこれまでも多くの経営者を見てこられて、本気で信念を貫こうとする人を全力で応援されています。こういう方が挑戦の段階からステークホルダーとして支えてくれるのだから、すごく成功の可能性は上がると思いますよ。

ーーでは最後に、「CEOオーディション-NEXTユニコーン-」を目指す方やエントリーを悩んでいる方へメッセージをお願いします。

山﨑

最初から大きな規模で挑戦するというのは、難しいと思います。ただ、いろいろな人と交流を持つなかで自分自身の視座や目標も変化してきます。また、今回はオーディションという形をとっていますが、我々の挑戦を皆さんに評価してもらう機会だとも考えています。「大きな目標や希望が自分のなかにないから無理」と思わず、我々の挑戦を見ていただきながら、我々と一緒に挑戦していきたいと覚悟を持っていただける人たちと出会えれば嬉しいです。

中村

ユニコーン企業になるという大きな願いを叶えようと思えば、やはり自分の力だけでは難しく、他人の力が加わらないと叶いません。ですから「自分は全然ダメだ」とか、「誰かと比べて劣っている」とか、そういうことを考えなくても大丈夫です。「いつかこうなりたい」「あんな世界を見てみたい」といった思いと純粋なパワーがあれば、老若男女を問わず、あらゆる方々に平等なチャンスがあります。

まずはエントリーをしてもらい、いろいろな人との交流を持てば、だんだんと目標に近づいていくものです。人は変わっていきますし、世界も変わっていきます。それぞれの変化を楽しみながら、ユニコーン企業に近づければいいと思っています。ぜひ皆さんのエントリーをお待ちしています。

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